想いを込めた音色を奏でて。
音楽家と聞いて思い浮かべるものは何でしょうか? 習い事の定番・ピアノ奏者を挙げる方もいれば、オーケストラやバンドが好きという方もいらっしゃるかと思います。また、歌手や声楽家など、声を奏でる専門職も音楽家のひとつと言えますよね。今回はそんな多岐にわたる音楽家にまつわる作品をピックアップしてみました! しなやかな歌唱・演奏シーンはもちろん、音楽家ならではの苦悩と葛藤にもご注目ください!
この、独創的かつ美しい世界観は唯一無二!名前を与えられた〝モノ〟に生物の形が与えられる不思議な世界で、音大生の奏介が出会ったのは名前を知らない人型バイオリン・Ga(品番)。訳あって〝名持ち〟を拒絶する奏介と、いずれは〝ナナシ〟に戻るというGa。2人はパートナーになったものの、Gaの音は鳴らなくて…!?
楽器から生体、生体から楽器へと、そのフォルムチェンジが幻想的。そして、音を絵で表現する巧さや楽しさに心が跳ねます!音を取り戻すため、えっちで親密度を上げようとする真剣な2人がコミカルで思わずクスッ。頑なな奏介の心を解いていくGaの純真さが、人間よりも人間らしくてグッときますよ!そして、Gaの名前に隠された秘話が明らかになるラストの盛り上がりが凄いんです!果たして、奏介はGaの名前を取り戻すことができるのか…?漫画でしか表現できない優しい幻想曲のような物語を、ぜひともご堪能ください!
難聴ゆえに世界の音を感じることができない個人投資家・五十鈴歩はある日、茂みに倒れていた年下の学生を家に連れて帰ります。大切そうにバイオリンを抱えて倒れていた男は音大生・壬生十嘉。彼は音楽界の原石として異彩を放つ若き天才でしたが、荒々しい演奏スタイルと群れない性格から孤立した生活をしていました。五十鈴は十嘉の演奏を聴かせてもらい、聞こえていないはずなのに興奮のあまり敬愛の拍手を送ります。その演奏を見守る眼差しからは五十鈴の音楽と十嘉に対する憧れの感情を読み取ることができました…!
そして2人で過ごすうちに、十嘉の乱暴な演奏スタイルにも変化が…。一心不乱にバイオリンを奏でる十嘉がとにかくセクシーなので…是非とも目に焼き付けていただきたいです。
耳の聞こえない五十鈴と音楽の申し子と言われる十嘉の出会い。他人を寄せ付けない者同士、足りないものを埋め合う2人の優しさに満ちた純愛ストーリーです。
フルート奏者の矢野とサックス奏者の志筑は演奏で性的興奮を覚える変わり者。同じ楽団に所属する2人はコンクールでの演奏直後、志筑がトイレで熱を収められずにいたところを矢野がホテルに誘い込んだことから現在までずるずるとセフレ関係を続けていました!しかし、恋愛下手で不器用な2人はしだいに相手に対し、セフレ以上の気持ちを抱くようになってしまって……。
優しすぎることが原因でいつもフラれてしまう矢野と、理想と期待で苦しくなるくらいなら恋人はいらないと恋愛に対しては冷めた態度を見せる志筑。理由は違えど恋愛に対して前向きではない2人が、本人たちも自覚せぬうちにずぶずぶと相手の沼から抜け出せなくなっている様子は見ていて非常にたまりませんっ!特に志筑が女の子と歩いている矢野の姿を目撃したことで初めて自分の恋心に気づくシーンは大注目!!!じりじりと押し寄せてくる恋心に胸キュンが止まらない至高の一冊です♪
過去のトラウマから人前でピアノが弾けなくなってしまった奏は、ピアニストの夢をあきらめかけて身体を売る生活を続けていました。そんな中、たまたま行ったラウンジプレイヤーの仕事で謎の男・戈木に演奏を褒められます。過去の恋愛にトラウマありながらもグイグイくる戈木に恋心を抱いていく奏。戈木の専属ピアニストとして働くことになった二人はピアノを通じて繋がっていって……!
美しい絵柄で描かれるピアノ演奏は紙面から音が溢れてくるかと思うほど!さらに船や夜明け直前の空など優美な舞台設定がまるで映画のような独特の雰囲気を醸し出しています♪もちろんキャラクターも非常に魅力的!奏の憂いを帯びた表情とイキイキとピアノを弾くギャップにやられちゃうこと間違いなしです。美しく繊細な心理描写に引き込まれます!
読み終わった後に味わえるのは一本の映画を見たような充実感…。繊細で美しい音楽家BLを読みたい方必見です!
挫折の多い人生を音楽に支えられてきた新米デザイナー黒咲と、天才と呼ばれるのを嫌う新進気鋭の音楽家エディ。CDジャケットのデザインで出会った2人が、あるインディーズ・バンドの存在や10年前の学校祭ステージを通して物理的に、そして音楽愛やクリエイター同士の共感を通して心情的に、スクランブル(交差)を重ねた末に恋を育む物語です。
最初は気難しく辛辣なエディですが、彼の魅力をすべて伝えるジャケットにしたいと言う黒咲の熱意に心温まり、一方で黒咲は少しずつ見えてくるエディの素顔に心惹かれていきます。やがて彼は、ずっと心の支えだった歌声の主が実は昔のエディであると知り、同時に、それが男性への想いを歌っていたと知って……。mamemarch先生が優しさと切なさを織り交ぜ描く本作は、ラブシーン皆無!なのに、愛が育っていくニュアンスがBGMのように背景に感じられるお話です。後日談の唯一のキスシーンが愛おしい!
カストラート、それは中世的な美声を保つために去勢された男の名称。時は18世紀のイタリア、少年歌手アルフレドは「天使の歌声」と称された天才歌手でした。しかし、天使を連想させる姿とは裏腹にその中身は高慢な自由人だったのです。アルフレドの歌唱シーンは高潔さに満ちており、宗教画のような美しさを秘めています。そんなアルフレドに憧れている作曲家の卵・エミリオ。立場の違う2人は反発し合いながらも、静かにお互い惹かれ合っていました。けれども、去勢歌手は商品として生み出された存在。カストラートと一介の作曲家では「遊び」はできても「恋」はできないのでした……。
たとえ遠く引き裂かれたとしても、歌が2人を繋いでくれる、切なさのなかにじんわりと温かさを感じる極上のドラマチックラブがここにあります…!神に選ばれた天才も人並みに悩み恋をする、音楽に身を捧げたカストラートの華やかで壮絶な人生を覗いてみませんか?
自分のピアニストとしての才能に限界を感じて、屈折した日々を過ごしていた桐野。そんな中、彼に憧れてピアノを始めたという高瀬が声をかけてきます。桐野は自分を純粋に慕っていいなりになる、才能に溢れた高瀬を弄ぶことで歪んだ嫉妬を吐き出す日々。しかし、そんな関係を続けていると、弄んでいたはずの桐野の方が執着するようになっていって……。
ピアニストとしての才能に対する嫉妬。無条件で愛してくれる高瀬への依存。桐野の相反する感情の葛藤にめちゃくちゃ引き込まれる!!繊細な心理描写は文学作品と言っても過言ではありません!一方の高瀬は、屈折した感情を抱える桐野の全てを包み込んでくれるまさに光…。桐野が依存していくのも納得です…。もちろん忘れちゃいけないエロも最高!圧倒的画力でセックス中の赤面もキス顔も存分に味わいつくせちゃいます!
仄暗い嫉妬と依存の中で導かれる救済BLに夢中になっちゃいましょう♪
音楽雑誌の編集者である新と、天才ギタリストの椎名は長い付き合いの恋人同士。自由奔放で気まぐれな椎名が、3か月ぶりに海外から帰国し、新のもとに転がり込んでくる場面から物語はスタートします。元々ミュージシャンを目指していた新は、高校時代、椎名のずば抜けた才能を見出し、そんな彼に羨望と劣等感を抱えながらも、椎名を支え続けています。そしてそんな椎名に「充電」と求められるままに、体の関係を持ち、愛し合う2人…。
1巻では、2人の出会いがメインに描かれ、まだまだ互いの心情が分からない部分も多いですが、新の中に渦巻く複雑な感情が表情やモノローグの端々に見え隠れしていて、単純に愛し合っているだけではない、まさに「オトナな」恋愛模様にドキドキが止まりません…!!そして、新とのエッチが大好きな椎名のおねだりがとにかくエロくて愛おしい!官能的な2人のベッドシーンも大注目な一冊になっております。
音楽家にまつわるBL8選、お楽しみいただけましたか?
クラシカルな雰囲気の作品から名作バンドBLまで、どの作品もページから音が聞こえてくるようでしたね。たっぷりの臨場感と紙面から感じる音色を堪能できる特集でした♪
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