この恋の物語は僕が描きたい…
普段から数多くの作品に触れているスタッ腐は、漫画家や作家といったクリエイティブな職業を心から尊敬しております。特に、一度でも二次創作の経験がある方は「ゼロから物語を生み出すことの難しさ」に人一倍敏感なのではないでしょうか。アレコレ妄想をするのは簡単ですが、それを形にするとなると話は別。否応なく「才能」「センス」という言葉を意識してしまいます......。
さて、今回は私たちが尊敬してやまない「漫画家・作家」をテーマにしたBL作品を集めてみました。人気の「先生」もいれば、売れない「先生」もいる......けれどその違いがまた良いのです。各キャラが描く恋の世界を存分にお楽しみください♪
ダメダメな漫画家・加賀の屈折感と可愛い風貌とは裏腹に「こ、こいつ......強いッ!」と思わせてくれる文月くんの強キャラ感がクセになる作品です♡漫画家として崖っぷちの加賀は身の回りの世話と原稿の手伝いとして雇ったアシスタントの文月くんに出勤初日から手コキ&顔射をして......!?自己嫌悪に陥る加賀と瞳をきゅるきゅるさせる文月くんの対比が最高!セクハラめいたことをしても引かず、素直に自分を受け入れてくれる姿に不覚にもときめいて......。夢を諦めかけていた加賀の良さを文月くんだけは分かっていて、甲斐甲斐しくお世話をする姿はとっても健気♡
しかし、ただのエロキュンと侮るなかれ!どうして文月くんは加賀のファンになったのか?後半明らかになる文月くんの本当の想いにきっと心打たれるはず!1話ではボサボサで生気のなかった加賀が最終回では見違えるほどのイケメンになっておりますので、そこにもご注目ください!
恋ヶ窪を舞台に繰り広げられる、お隣さん同士のやさしいハートウォーミングラブをじっくりと楽しむことができる本作。ただのアパートの隣人同士だった拓人と春海さんがお互いの優しさや芯の強さに触れ、お互いになくてはならない存在になっていく様子に胸がじんわりとあたたかくなりました。
平凡なサラリーマンの拓人と、「漫画家になる」という夢を追って自由に生きる春海さん。一見正反対のように見えるふたりですが、それぞれの生き方を尊重し合っていて、恋に仕事にと奮闘する彼らをずっと見守っていたい......!うだつが上がらず「自分なんていてもいなくても同じだ」と考えていた拓人が、春海さんとの出会いによっていきいきとした表情を取り戻していくところも沁みます。
受け・春海さんの、キレイさの中にキュートさも併せ持つ魅力が最高で、お茶目なコミュ力おばけかと思いきや夢を追い続ける強かさも持ち合わせていて、拓人と出会うことでどんどん人間臭くなっていく様子にによによが止まりません♡
『あ、あぁ...ん...』隣の部屋から毎晩聞こえる男の喘ぎ声にイライラMAXの官能小説家・東金。憂さ晴らしとして隣人をモデルにした小説を執筆するも、ひょんなことからベランダ伝いにビッチな隣人・世良が「匿って」と部屋に入ってきて......!?自分が小説のネタに使われていた事を知った世良ですが、その見返りとしてご飯をねだったり、他の男とのセックス中に喘ぎながらセリフを声にしたり♡そしてそれを壁越しに聞きながら東金がオ●ニーをするなど、壁一枚を隔てたふたりが間接的にエロいことをしているという展開にドキドキします!他方、とある理由から「最初から情を持たない」と冷めたスタンスでいる東金が徐々に世良へと傾いていく過程にグッときたり、飄々としている世良が実は、不本意にデリヘルで働かされているという事実に闇を感じることも......。本心を知られたくない東金が世良に問い詰められ、観念し真顔で愛と独占欲を言葉にするシーンは、世良と共に驚き、そして胸が熱くなること請け合いです!
爽やかイケメンホスト×冴えないBL漫画家という異色カップリングの本作。ゲイの日下部は高校生の頃にBL漫画と出会い、気づけばBL作家としてデビューしていた腐男子くん。普段は想像力を膨らませて漫画を描いているのですが、次の仕事で描くのは『絶倫・絶頂特集』という未知なるジャンルで!?童貞&処女の自分に限界を感じた日下部は、意を決して出張ホストを予約します。当日現れたのはキラッキラな笑顔が眩しい王子系イケメンの翔♡慣れていない日下部を気遣い優しく接する姿はまさにスパダリです!言葉責めと超絶テクで初体験の日下部を何度もイカせちゃいます♡その人柄に惹かれリピーターになった日下部ですが、次第に客とホストという関係に虚しさを覚えていき......。この距離感に切なくなるのはホストあるあるですよね!少しでも一緒にいられるようにアシスタントとして雇うというアイデアを思いついたものの、それがまたすれ違いを生むという王道展開がたまりません!
住む世界が異なるふたりの恋の行方、ぜひ見届けてください!!
昔からなぜか人の縁も幸も薄い青年・槇。無職の彼はある日怪しげな男から仕事の手伝いを依頼されます。その仕事内容はなんと「作家の影武者」。男の正体は、人間のふりをして作家デビューを果たした鬼だったのです!!
本作では「弦巻先生」こと鬼のイチイと槇の奇妙で可愛い同居生活が描かれているのですが、まずは人外キャラのバリエーションに度肝を抜かれます!黒髪眼鏡verと銀髪美人verという二度美味しい容姿を持つイチイはもちろん、烏帽子がキュートな従者・煤竹(すすたけ)は普段イタチ姿ですし、弟鬼のナラはオラオラ系ブラコン、デフォルメ版と真の姿とのギャップにKO必至の黒笠など、キャラ設定がとにかく魅力的。そして気になるラブ要素ですが、世間知らずなイチイに振り回されっぱなしの槇が、後半ではイチイをやきもきさせ、槇の呪いを通じて距離が縮まり......と、種族や年の差(200歳以上!)を超えた恋から目が離せません!
人外BLなのに日常感が溢れているという不思議!「異形のモノ」だらけの現代ファンタジーをお楽しみください!
<あらすじ>
文豪に憧れる鬼とひとつ屋根の下!
昔から人の縁に薄い青年・槇大吾は、ある日「俺の仕事を手伝わないか」と見知らぬ男に声をかけられる。怪しげだが美しいその男の正体は、人間界の文士に憧れ、めでたく小説家デビューを果たしたばかりの鬼・イチイであった!
公の場に姿を現すことのできないイチイの影武者として“作家・弦巻先生”を務めるべく、イチイと隷属契約をし、ともに暮らし始めた槇だったが?!
人気小説家の滝沢と編集の蓮。15年来の親友同士ということで仕事上の関係はバッチリです。ひとつだけ普通の関係と異なるのは、蓮が滝沢に長年片想いをしているということ。読んでみての第一声は「とにかく滝沢がズルすぎる!」に尽きます。「明らかに蓮の好意に気付いてるな!?」と若干苛立ちを覚えつつも、切れ長アイに泣きぼくろという見た目の良さを前にすると、そのクズさも霞んでしまうという......。滝沢の「好きだ」という言葉を簡単に受け入れられない蓮ですが、気持ちでは拒みつつも実際に甘い言葉を囁かれるとカラダは素直に反応してしまい......。そんな曖昧な関係のふたりですが、Hシーンはとにかく激しいです!!特に、執着と興奮が入り混じった滝沢のオス顔がたまりません~!こんなん絶対に受けはトロトロになりますやん......。きちんと結ばれたあとのHは糖度マシマシでお届けです♪
切なくなりがちな片想いBLをコミカルHに描く本作。こじらせボーイ渾身の顔芸と、本音ダダ漏れのモノローグにも注目して読んでみてくださいね!
ガチムチなオジさんがBL漫画家、しかも受け!ギャップ大な漫画家受けが堪能できるのが、コチラの作品の魅力の一つ!イケメンなアシスタント・春川くんとBL漫画家・ユキ先生は、仕事の関係を超えて超仲良し。腐男子同士、萌え談義に花を咲かせる日々を送っています。そんな中で、2人の感情はしだいに恋に変化して......♡
ユキ先生はガテン系な風貌で、BL漫画家には到底見えません。なのに描いているのはカワイイ作風のBL作品という、すさまじいギャップの持ち主なんです!春川くんと一緒にいるときの、生き生きとした表情や明るい笑顔は、愛嬌たっぷりで可愛いの極み!自称ノンケだったユキ先生が、春川くんの発する胸キュンな言動に赤面しまくるさまには、「萌える」以外の選択肢がありません......!
美形エクソシスト×オジさん淫魔の恋を描く同時収録作品は、ユキ先生が描いたという設定。どちらの作品もガチムチ+オジさんなので、フェチにはたまらないですよ~!
売れない漫画家の秋本は、ある日担当編集の倉田から「BL要素を盛り込んでみては?」と提案されます。ただでさえパンチがあるのに、「先生がお嫌でなければ実地で......」なんて言われてさあ大変!触れるたびに「その気になっていただけてますか?」と尋ねる倉田さんがいじらしくて、「可愛いんじゃあ!」と某芸人さんが心の中で叫んでしまいます(笑)大の大人が中学生みたいに照れっ照れで抜き合いをする様子にキュンキュンが止まりません。
本作が初めて刊行されたのは、今から20年前。ネットも携帯もあまり普及していない時代で、作中には当時の様子をうかがえる描写も登場します。そんな時代だからこそ、「必要な情報はカラダを使ってでも集める」という設定がやけにリアルに感じられました。今ならネットで「男同士セックス体験」で検索すれば済むことを、自分たちで試す。この行為が何だかとても健気に思えて仕方ありません。
表題作ほか、幼馴染同士の恋や文通がテーマの話など、時代を超えて「恋する尊さ」を実感できる短編集です!
いかがでしたか?実はこの特集を担当するまで「きっと漫画家とアシスタント、作家と担当編集というカップリングが大半なんだろうな」と思っていたのですが、とんでもない!蓋を開けてみれば、リーマン相手だったりホストだったり、実にバラエティに富んだカップリングが楽しめる内容となりました!それもこれも各作品を生み出してくださった先生方(現実)のおかげ......。本特集をきっかけに、改めて「作家・漫画家」という職業の偉大さを実感しました。
自分にはできない、だから作品を読んで薦めて愛でることで応援する。このスタンスをこれからも貫いていこうと思います♪
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