身分とか立場とか関係なく君が好き!!
御曹司と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか? 金持ち、家のしきたり、自由がない......などなど、様々なイメージをお持ちかと思います。そう、今回の特集テーマはズバリ「財閥・御曹司」。古き良き時代が舞台の作品もあれば、現代版シンデレラストーリーもあり。常識や親族とのしがらみ、自身の立場など複雑な問題をクリアして愛を得ようとする男子たちに萌えメーターが振り切れること間違いなし。庶民とはかけ離れた世界を生きる御曹司たちの恋模様をとくとご覧あれ!
好きな相手と結ばれる。異性間、そして偏見が減りつつある現代であっても難しいことなのに、同性相手で、しかも時代は大正時代ときたら......。しがらみの多い時代、立場で揺れ動く主人公の心理描写が読者の胸を打つ作品です。
かつての学友同士・有馬への恋心を自覚するも、伯爵家家長という立場から本心を隠す黒木。伯爵家の人間として自由な恋愛なんてできるわけがない。抑圧された恋情はやがて歪んでいき、ついには自分の妹を有馬に嫁がせようとして......。妹が有馬と結婚して子どもを授かれば、そこには少なからず自分の血も流れているだろう、なんて......。いや本当にもう、つらい......(語彙力)そんな黒木の想いに気付いた有馬は自分を選ぶよう迫るのですが、黒木は彼の気持ちをも拒絶して「家」を守ろうとするのです。
両想いにも関わらず、身分や立場に雁字搦めにされた黒木。そして、有馬はその凍り付いた黒木の心を溶かすことができるのか。時代に翻弄されたふたりの恋路を最後まで見届けてくださいね。
13年もの間、仕立て屋の2代目・片山に恋している御曹司の大学生・秀一郎。なんて一途なのでしょう......!約20歳差の"年の差BL"ですが、片山はどこか気だるげな色気があふれていて、秀一郎がハマってしまうのも頷けます。秀一郎はワンコのように片山へ度々贈り物を届けますが、この贈り物はちゃんとバイトで稼いだお金で買ってるんですよ!御曹司が!なんていい子......!一方クールビューティーの片山は、そんな様子の秀一郎にもなびきません。しかし、体だけではなく心も少しずつ距離は縮まっているようで......普段はツンツントゲトゲしている片山が秀一郎の大学の友人に嫉妬する様子は、読者にとってご褒美!思わず読む表情も、ニコニコ緩んでしまうこと間違いなしです!
かっこよくて、頭も良くて、御曹司。10年越しに再会した憧れの先輩は、超イケメン“清掃員”になっていた!?ドSなハウスクリーニング屋さん×M気質な雇い主くんの異色なシンデレラストーリーを楽しめるのが、こちらの作品!
主人公でエロ漫画家のヒナは、職業のわりにとってもウブで純情。再会した王子様・佐原は、そんなヒナを後輩的にも性的にもいじくり倒します(笑)そのいじめっぷりはまさに好きな子をいじめる小学生のよう!ヒナに清掃キャンペーンを押し付けて会える日を増やしたり、鈍感なヒナにイライラしたり......。愛は深いのに、素直になれない王子様のヤキモキする姿に読んでいるこっちが絆されてしまいます!
「手仕上げ」や「高圧吸引サービス」と、清掃用語を織り交ぜたプレイなど、超コミカルなHシーンにも大注目!甘さも笑いもエロもスパダリ(?)も堪能できちゃう、大満足の一作です♡
大企業の次男の宮田と伯爵家の跡取のノア。α同士だからこその上流階級同士のロミジュリストーリーに胸が締め付けられます......!
嫁探しの社交パーティーで出会った宮田とノアは、お互い運命を感じ、そのまま野外で致してしまいます。もう二度と会うことはないだろうと思うノア。しかし数日後、目の前に宮田が姿を現し......。「嬉しい!」という感情よりも先に「胸が苦しい」「終わりがくるのに」というモノローグが来るところが何とも切ない......!
また、美しすぎる絵柄にもご注目!長髪美人お兄さん受け・ノアは睫バッサバサでため息が出るほど。エッチの時には意外と積極的で可愛い魔性の誘い受けです!攻めの宮田はクールな黒髪ハンサム。御曹司らしい余裕がスパダリ感を醸し出していますが、内心は熱い男というのがセクシー。
α同士という性の制約があっても、惹かれてしまっては仕方ない。そんな逆境をふたりの想いがどのように越えていくのか、見守ってください。
美人でチョロかわいい受け・惣五郎は自分と同じく名門の御曹司で同級生、しかも立役の有望株の源介をライバル視して、個人的にギスギスしていました。しかし夫婦役で共演することになり、源介と触れ合うようになって関係は一変。友情の芽生えや互いに対する憧れの気持ちにも気づき......そして源介からのスキンシップや意味深な言動にドキドキさせられる惣五郎!現れた源介になぜかドキッとするし、源介の部屋で惣五郎の子どもの頃の切り抜きを大量に発見しちゃったり、惣五郎の兄貴分に嫉妬する源介を目の当たりにしたり――!!
キュンキュンする恋模様はもちろん、歌舞伎の名作演目の世界に存分に浸ることが出来るのも本作の魅力のひとつです。惣五郎の女形など歌舞伎が舞台ならではの魅力を楽しめたり、ここから歌舞伎に興味が湧いてくる......なんてこと!
現在5巻が配信された本作では、ゆったり、たっぷりとふたりの恋模様や役者としての成長を追っていくことが出来ます。ふたりの今後はどうなっていくのか!?乞うご期待!
なんといってもたまらないのが根っからのお坊ちゃん思考の御子柴の暴走っぷり!自分の婚約を初恋の相手(女好きホストで高校の同級生の泉)にぶち壊された事を運命と信じ、泉を監禁......からの強●~!?しかもその理由が「所有権の行使」なんて言い分、無自覚暴君すぎて最早笑えてきちゃいます(笑)。でもそんな暴走感情も泉に対して超・超・超一途すぎる感情からのことなのです。どんなに泉に嫌がられようとも「俺はお前が好きだ」「周りがどう言おうがお前がいい」などのド直球発言がたまらなくキュン......。
一見ヤバめの監禁話なのですが、硬派×お調子者のふたりの会話は最初からテンポの良い掛け合いで、なんだかんだ言いつつも相性の良いふたりです♡泉も御子柴に対して嫌悪感を抱いているように思えないのが本作の良いところ。無自覚暴君が引き起こす、最後はハッピーな監禁話を是非堪能してください!
「社長と愛人」という響きはなんとなくエロティック感じがしますね(笑)「世の中金だ」と言い聞かせて、年も身分も偽って財閥の令嬢を口説き落とそうとした浩平に愛人にならないかと持ちかける若社長・アキラ。「これはダークでみだらな雰囲気なのでは......?」と思いきや!?いいえ!!社長と愛人という関係ながら圧倒的に爽やかなんです!!料亭の個室でご飯をおごってもらったあとは......「奥に布団あるよ」的な展開を想像しがちですが(笑)、なんとバッティングセンターとボウリングに行くという健全っぷり!友達以上愛人未満の関係がピュアすぎて、心洗われます......。帰り際、自分からチューしたのに真っ赤になっちゃう浩平が可愛すぎて......!これが「尊い」ですか......。
少しずつ少しずつ距離が近づいていくふたりの関係にもどかしさを感じつつ、でもこのくっつきそうでまだくっつかない空気感が最高な一冊でした。
「一条のこと、買ったんだ」あらすじのこの言葉~!!御曹司BLのイイところがこの一言に詰まっていますね......本作は御曹司同士のカップリングを楽しめる作品ですが、天真爛漫な財前と家のために利用されてきた飛鳥という、同じであって同じじゃないふたりの描写に萌えること必至です。家のために父の命で身売りをしている飛鳥は、好き嫌いの感情よりも"一条"であることを優先している。そんな家柄に縛られているかつての幼馴染を救うために、財前はなんと......飛鳥のことを買い取ってしまうのです!それから、空っぽな飛鳥の心を埋めていくために他愛もない、普通の学生として交流をしていくふたりが本当にキュンキュンというかじんわり満たされるというか...!
「好き」も「自由」も知らない飛鳥が満たされる時が来ることをただ祈るばかりです。無表情な飛鳥がだんだんと笑顔を見せたり、下心をバレない様にしている財前がとにかく可愛かったです!早く幸せになってくれ~!
以上8作品のご紹介でした!皆さんのツボにはまる作品はあったでしょうか。御曹司がテーマとだけあって、登場キャラの多くが「それっぽい」名前だったように思えます。名前から漂う高貴オーラ!(笑)テーマ的にどうしてもシリアスになりがちでしたが、クスリと笑えるようなコミカルな作品もあり、バランスのとれた特集になった気がします。財閥・御曹司というジャンルは、小説に強い印象がありましたが、コミックスも負けていませんね!ぜひこれからもたくさんの作家さんに取り上げてほしいテーマのひとつです!!
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