珠玉のイケオジが登場する今回のイケオジ特集ですが、本作はズバリ「オジサマ初心者」に読んでもらいたい作品です！
『オールドショコラ』は短編集なので、表題作は1話と描き下ろしのみ。ですが、その短いストーリーの中に、おじさん同士の恋愛の大きなポイント「積年の片思い」と「年がいなく舞い上がる余裕ない姿」が濃縮されているのです!! ノンケ攻め・高楠とゲイの料理人・江連は30年来の親友同士。高楠の離婚を機に同居をはじめ、お互いの大切さに気付いて......。スマートなオジサマになった現在のふたりと、学生時代のふたりのコントラストが非常に萌えです！ ひそかに高楠に初恋をしていた江連の回想シーンがこれまた甘酸っぱい♡ そして、その頃の気持ちのままイケオジに成長した江連の勇気を振り絞った誘い文句にもキュンキュンしちゃいます！
ふたりが結ばれた後の、高楠の男前な告白は必見！ オジサマ属性が気になるという方はぜひ読んでみてくださいね♪

＜あらすじ＞
「ためしてみる？俺と」離婚をして帰る家も失った俺に手を差し伸べてくれたのは、30年来の友人・江連。ゲイであることを公言している江連は、器はデカいし料理も上手いし、なにより一緒にいて居心地がいい。だけど、――思い出した。高校時代、俺はこいつに、告白されたことがある。

包まれるような気持ちよさに――。そんな人をダメにするソファ......ではなく、ほわほわパワー全開の「人をダメにする」植村課長！ 失恋した部下・須田の頭をギュッと抱えてあげる姿はまるで聖母のよう！ グイグイ距離を縮めてくる須田に対しうつむいて照れる姿の初々しさたるや......40オーバーなのに、癒しと可愛いを極めた植村課長にメロメロになっちゃいます。そしてそんな課長に恋する須田は、イケメンで仕事も出来るのに、3年間同僚に告白できなかったり、恋人の課長に言いたいこと言えなかったり、恋愛に不器用な感じがたまりません！ 奥手同士のカップルなので恋人になった後もじれじれで......お互いのことを真剣に考えているからこそですよね。
「男性が男性と付き合うこと」で何が変わり、どう見られるのか？それでも変わらないことは何か？――喜んだり落ち込んだりしながら恋人としての仲を深めていくふたりの絆に胸打たれる作品でした。

＜あらすじ＞
「課長に応援されると、『俺できるかも！』って思っちゃうんだよな～」激務で有名な開発課の植村（うえむら）課長は、その類稀なる癒しオーラで人々の思考力を奪うことから、『人をダメにする課長』と呼ばれている。そう…まるで、居心地がよすぎて起き上がれなくなるクッションのように――

おじさん同士の同棲、よもやこんなに萌えるとは......！ 同棲生活ならではの萌えがギュギュっと詰まったオジサマBLといえば、おすすめしたいのはこの作品です!!
主人公・門司が災難の末、偶然再会した中学の同級生・六車の自宅に居候することになるところから物語はスタート。食事は飲食店を経営している門司が担当して、掃除洗濯は六車が担当。役割分担をして生活をしています。学生時代以来というブランクのある関係にも関わらず、息の合ったふたりは夫婦っぽさを醸し出していて、思わずニヤリ♡
関係が深まっていくにつれて、一緒にAVを見て抜き合ったり、行ってきますのキスをしたり、一緒のベッドで寝るようになったり......。ただの知人の居候から恋人の同棲へのシフトをじっくり堪能できちゃうのも美味しいポイント！ お互い41歳、いい歳したノンケ同士のふたりが、じれじれモダモダしつつ、お互いの想いを自覚していく過程をぜひ楽しんでください♪

＜あらすじ＞
飲食店を営む門司はただいま本厄真っただ中。財布は落とすわマンションがボヤで住めなくなるわで災厄続き…。そんな折、偶然元同級生の六車が来店。中学の頃、勉強も運動もあと少しで追いつけなかったため門司が強いライバル心を燃やしていた相手だ。しかもなんと彼は弁護士になっていた！

断言します。本作品の攻め・菱本さんは、BL界イチの紳士イケオジだと!!
外ではスリーピースのスーツをビシッと着こなし、ビリヤードが上手。属性はスパダリそのものといっても過言ではありません。しかし、菱本さんはそれだけではないんです！ 実は家事が大の苦手。洗濯物を落としまくるわ汚部屋だわ......。ちょっと抜けたところが超チャーミング！ 完璧すぎて浮世離れした印象もあるスパダリですが、経験豊富な熟れた年齢だからこその余裕感と、茶目っ気のある一面がリアルなんですよね～！ さらにさらに、受けの伊瀬くんのことを真剣に愛しているのもスパダリポイント！ 優しく包み込む包容力を見せつつ、意外とガンガンアプローチしていく雄な側面もあり。こんなの惚れる以外の選択肢がない！ もはやガチ恋案件。。
現実にいたらいいな......と思わせてくれるイケオジ・菱本さん。オジサンでスパダリ♡最高。

＜あらすじ＞
ある夜、彼氏にフラれた直後の伊瀬の頭上に、なぜかパンツが降ってきた。落とし主はどこか放っておけない雰囲気のある菱本という男で、木にひっかかってしまった洗濯物を一緒に取ることに。お礼がしたいと言う菱本の自宅に上がると、実は伊瀬のことが気になりワザと洗濯物を落としていたと告げられる。

「さすがに50代以上のBLはちょっと......」と敬遠しているそこのあなた！ 私もかつてはそうでした。でもこの作品に出逢って変わったのです！ “壮年受け”は萌えですよ!!
本作の最大の萌えポイントは、美少年ならぬ美壮年の受け・庚子さん。髪はロマンスグレーで、年相応なしわもある立派な壮年オジサマです。酸いも甘いもかみしめてきた、経験の豊かさからにじみ出る余裕と妖艶さ......。年輪の濃さを感じさせる奥深さに、年齢という障害を越えるトキメキを感じます!! さらに、庚子さんに猛アタックする高校生・小夜谷とのデートでは、初々しいデートに喜ぶお茶目な一面も。人としての魅力たっぷりなオジサマ受けを堪能できちゃいます♡
今回のオジサマ特集でも1、2を争う年齢高めなオジサマが登場する本作。いくつになっても衰えることのない色香にうっとりすること間違いなし♡ 新たな性癖の扉を開けてみてはいかがでしょうか？

＜あらすじ＞
性格も容姿も平凡で「つまらない男」と評される高校教師の甲太郎。甲太郎の義父で、50過ぎてもどこか色気漂うゲイの庚子。若さと美貌を売りに男をとっかえひっかえしている甲太郎の教え子・小夜谷。年齢も立場もバラバラな３人が甲太郎を中心に繋がっていき――。

イケオジBLを語る上で外せないのが、オシャレBLの巨頭・basso先生！ 今回ご紹介する『クマとインテリ』は、basso先生名義での初コミックスとなります。
「イタリア男、スーツ、眼鏡」という萌えないワケがない要素をふんだんに詰め込んだ本作、とにかく作品全体からおしゃれな空気が漂っているのが特徴です!! クマ系カメラマン×ゲイ政治家を描く表題作では、全く好みでない男に惹かれていくイケオジの心の機微が巧みに描かれ、バカンス先で出会った髭モジャ年下男に半ば無理やり抱かれてしまったというのに、気付けば彼のことで頭がいっぱいになっていて......。恋の始まりにも似たソワソワ感に浸るイケオジのアンニュイさがたまりません！ 表題作ほか、イタリア男の色気や可愛さをたっぷり楽しめる短編を5作も収録！ 力強い筆致でありながら、各コマの描き込みを最小限に抑えることでキャラクターひとりひとりを魅せて際立たせる。ぜひ皆さまのMY本棚に追加して頂ければ幸いです！

＜あらすじ＞
初老のインテリ政治家ファウスト・カッラーロはバカンス先でカメラマンの熊男ブルーノと出会う。全く好みのタイプではなかったブルーノに次第にひかれていくファウストだが…年齢も立場も越えた愛情をドラマチックに描いた表題作、他。

近頃流行りの「おっさん」BLに物足りなさを感じている方に全力でオススメしたいのがコチラ。西田東先生の描かれるおっさん達は、まさに等身大の中年サラリーマン！ いい意味でキラキラ感のない、リアルなおじさんっぽさが堪りません！
本作に収録されている話は全てがリーマンもの。クスリと笑える台詞を多用した表題作から、黄昏＆闇の腐女子必見のダークな話まで幅広く楽しむことができます。特に表題作のコミカル度はかなり高め！ 「今すぐこの場で十二通りくらいの体位を駆使して犯してぇ」という台詞回しが秀逸すぎました......。範疇外のおっさんに恋してしまったおっさんの葛藤を描く表題作はもちろんですが、個人的に病み要素アリアリの短編「胸いっぱいの」もオススメです。読み手によって結末の捉え方が変わりそうな描写が非常に印象的で、短いストーリーながらそのドラマ性に感服いたしました。
仕事に一生懸命で、働く男のカッコ良さを教えてくれるリーマンBLの傑作。おじさんツウの皆さん、この機会にどうぞお試しください！

＜あらすじ＞
仕事には妥協ナシ、しかしオトコ関係は手当たり次第…そんな優秀＆Ｃ調な経営コンサルタントの小林がやって来たのは、中央火災への吸収合併を目前に控えた西部損害保険。おのれの任務を的確にこなしつつ、いつも通り社内の目ぼしいターゲットを物色するのだったがーー。