----『デビルズライン』と出会い、読んでみてどんな印象を受けましたか?
「いわゆる人と人ならざるもののラブストーリーですが、ただのラブスーリーじゃないんです。カラダの構造も外見も人。でも、生まれながらに持っているものが違う。それだけで、何でこんなに胸が痛くなるんだろうって。久々に深くココロに刺さる作品に出会えたなって感じました。
まさか、それを演じさせていただけるなんて…。いろいろなプレッシャーがかかっています(笑)」
----—『デビルズライン』のオススメポイントを教えてください。
「人と鬼という種族の違いが生む人間模様ですかね。心は人なのに身体は意に反した行動をしてしまう安斎。異種族間の恋愛で、安斎とつかが直面する苦しみや葛藤。超えることができない壁を二人はどうやって乗り越えるのか。観ている人も考えさせられる作品だと思います。
アニメと漫画の違いは、アニメの方が原作を凝縮しているのでストーリーのテンポが早い。つかさが安斎に対して抱く好意のスピードが早いかな。漫画はワンシーンを自分のペースで読めるので、安斎とつかさの関係を自分のペースで掘り下げながら楽しむことができますね。」
----—好きなシーンやセリフはありますか?
「好きなセリフとかではないですが、鬼に変化する時の呻き声が特徴的だと言われますね。でも自分でもどうやって出しているのかわからないんです。昔から出せた声だったので(苦笑)
強いて言うなら無理やり気道を狭めています。その収録日は喉がズタズタになりますね(笑)」
----—主人公・安斎を演じるにあたって意識していることなどありますか?また収録で苦労したことや思い出などはありますか?
「安斎を演じるにあたって意識していることは、僕の通常の声の高さより低いラインなので、咳ばらいをしないようにしています。無理やりダミ声のようにし、あえて綺麗な声を出さないようにしていますね。」
----—主人公の安斎と松岡さんが似ているところってありますか?
「似ているとしたら、性格はちょっと似ているかもしれません。ボクは基本的に初対面の方と話すのが苦手です。話題がないと話せないんです。安斎もうまく言葉にのせられないっていうか、思い立ったとしても言葉に出せないというか。そういった不器用さがちょっと似ているかな。」
----—自分が人ならざる者(鬼)だった場合、人と恋をしようと思いますか?
「自分が人間じゃない場合、どういう種族に生まれているかによるんですが、仮にデビルズラインと同様に鬼だったとしたら好きになるとは思うが一緒になりたいと思わないかもしれません。人間的な情欲が我慢できないと思うから(笑)血をみた瞬間に変異してしまうことも辛すぎますよね。」
----—松岡さんのオススメマンガを教えてください。
「ボク、クルマが好きなんです。『頭文字D』(しげの秀一)とか。絵のチカラもあるとは思いますが、コマごとに動いているように感じられるのがすごく楽しくて。だから、リアルなクルマ系のマンガは全部オススメですね。あっでも、ボク免許ないんですけれども(笑)」
----—他には、どんなマンガがお好きですか?
「グルメマンガも好きです。料理が好きなんです、つくるのが。」
----—ちなみに、得意料理ってありますか?
「ハンバーグ!オリジナルの改良を加えたりしますよ。材料を変えるだけで、全然変わるんです。例えば、パン粉の代わりに砕いたお麩を入れたりとか、寒天の粉を入れたりとか。吸水性がすごいから肉汁を閉じ込めてくれるんです。玉ねぎはアメ色になるまで炒めたものと、粗目に切ったものを混ぜます。これは有名シェフに教えていただきました(笑)他にも安いひき肉でも和牛の牛脂を入れると味が変わるんです。
両面を強火で焼いたら最後は蒸し焼きに。そうすることで割れないし、中までちゃんと火が通る。食べるときホントに肉汁がジュワーッてあふれ出してくるんですよ。」
----—おいしそうですね。お腹がすくので、話題を変えますね。ダークファンタジーという世界で、松岡さん流の楽しみ方はありますか?
「『デビルズライン』という作品でお話しさせていただくと、街並とか基本的に現実と大差ないじゃないですか。実際に自分が知らないだけでホントにある世界じゃないかって思わせてくれるところがいいですよね。
人であって、でも鬼っていうことで身体能力がすごいところもカッコイイ。人間には絶対できない動き、例えばビルからビルに飛び移ったりもできる。こんな能力がもし自分にもあったら!そんな風に自分に置き換えたりして楽しんでいます。」
----—では松岡さんにとって、マンガって何でしょうか?
「マンガですか…。
ひとことで言うなら、ボクにとっての『人生』です。」
----—読者へメッセージをお願いします。
「アフレコ収録をフルカラーの状態で行っていることもあってか、キャスト一人ひとりの息遣いや距離間が生々しくてリアルなお芝居になっています。ドラマを観るような感覚でも楽しめるんじゃないかな。
是非皆さんに楽しんでもらえればと思います。」