【理由3】力と数だけでは勝てない。戦略や政治的駆け引きが面白い!
『キングダム』には1対1の戦いもありますが、基本的には何万と何万がぶつかる大合戦が基本です。単純な力や数だけではなく、戦力を計算し策を練らなければ勝つことはできません。その頭脳戦も、読んでいてシビれるポイントです!
信のような「脳筋タイプ」のキャラクターがいる一方で、天才軍師・李牧や、勝つために騙し討ちや残酷な手段も平気で使う桓騎などの「知略タイプ」もいます。合戦の規模や、相対する将軍の相性、地形などによっても作戦は変わり、エピソードごとに読んでいて毎回驚かされますよ!
合戦のシーンでは、下のコマのような形で状況が説明されることも。シミュレーションゲームなどが好きな方なら、より一層ハマれるのではないでしょうか。
★「キングダム」45巻に掲載
そして合戦だけでなく、国同士の政略・駆け引きも見逃せません。なにせ7ヶ国が覇権を賭けて争うため、同盟や裏切り、交渉も状況を大きく左右します。
信が活躍するのは主に合戦のエピソードですが、もうひとりの主人公とも言える政が活躍するのは、こうした国同士の政略のエピソード。
秦国の王として、宰相や文官たち、さらには後宮も巻き込んでおこなわれる政治の戦いも見逃せません。
【【理由4】実はかなり史実に忠実! 歴史を知っているとさらに面白い!?
物語として脚色されているものの、基本的には史実に忠実に作られている点もこの作品の魅力です。
舞台となっている春秋戦国時代は、信や政たちのいる「秦」と、「楚」「斉」「燕」「趙」「魏」「韓」の、合わせて7ヶ国が覇権を争った時代。
★「キングダム」5巻に掲載
政が率いる秦国が、7ヶ国の争いに勝利し、歴史上初の中華統一を成し遂げるまでが描かれます。
もちろん二千年以上前の歴史なので、どれが真実かは分からない部分も多いのですが、『キングダム』の合戦や各国の交渉・同盟といった政略は、歴史上の資料に沿って作られています。
そういう意味では歴史の勉強にもなりますし、逆に当時の歴史について調べれば今後の展開を予測することもできます。
歴史好きの方は、そうした楽しみ方をしてみても面白いのではないでしょうか?
★「キングダム」23巻に掲載
主人公・信も「李信将軍」という名前で史実に残っている人物です。ただ、あんなに強くて熱い性格だったかは分かりませんが、上のコマのように正式に認められて将軍になったことは間違いないようです。
その他多くのキャラクターも歴史上に名前が刻まれています。
ちなみに羌瘣(きょうかい)や楊端和(ようたんわ)も、史実上秦の将軍だったとされていますが、女性であったかは不明。実際はおそらく男性であったと思われます。このあたりは、マンガとして上手に脚色されていると言えるでしょう。
大きな歴史としては忠実に作りつつも、こまかな部分ではマンガとして盛り上がるようバランスがとれていることも、『キングダム』の面白さのヒミツなのです。